FacebookやTwitterを代表とするソーシャルネットワーキングメディアのユーザーが増えるに連れて、最も大きく変化したのは人々のコミュニケーションのありようです。
そのポイントは、様々なコミュニケーションの時間の配分が大きく変わった事にあります。従来のコミュニケーション手段として実際に会って話す、電話をかける、或はメールを送ると言った様々なコミュニケーション手段の中で、ソーシャルネットワーキングメディアにおいて使われる時間が大幅に増加し、その反面電話をかける(固定電話はもとより携帯電話も)と言う行為が大幅に減少しています。(※マッキンゼーのコミュニケーションにおける時間配分に関する調査結果でも明らかです)
さらにそれを細かく見て行くと、年代層によりそれが顕著に現れています。具体的には40歳辺りを起点として若い人程電話と言うコミュニケーション手段を利用しなくなっている事が明らかになっています。
既にアメリカにおいては、オフィスで電話が鳴る数が激変し、非常に静かになったと言う事が、ニューヨーク・タイムズの記事にも出ていました。
さらにソーシャルネットワーキングメディアがもたらした新たなコミュニケーションのあり方として重要なのは、1人対複数と言う新しいコミュニケーションの手法を提供した事が大きな要素です。今までは基本的に1対1であったものが、1人がそれぞれ複数の繋がりを持った事によるコミュニケーションの伝播のありようが大きく変化しました。このようなコミュニケーション手段は今までは存在していなかった訳です。またそれを深く考察すると、ソーシャルネットワーキングメディアの特徴は、相手から必ず返答してもらえる事を前提にコミュニケーションしていない事が大きな特徴です。これまでの個人単位でのコミュニケーションは、発信されたメッセージに対する反応が必ずある双方向型コミュニケーションでした。しかしソーシャルネットワーキングメディアでは必ずしも反応はなくても成立する、緩い双方向型コミュニケーションと言う事です。このような緩いコミュニケーションは、発信する側に取っては相手の反応がどうあれ一方的に情報拡散されると言う大きな特徴があります。
すなわち、ソーシャルネットワーキングメディアの登場で、情報量も莫大に増加し、緩い繋がり(実際それほど繋がっていない、従来なら年賀状を交わす程度等)の間でのコミュニケーションが増加した事が、「情報価値」の変革をもたらしました。
それは情報発信する企業に取って、非常にエンゲージメントを形成する可能性を秘め、また裏返しに非常に恐ろしいメディアとなった訳です。
企業がソーシャルネットワーキングを生かすも殺すも、先ずはソーシャルネットワーキングメディアで自社がどのような扱いを受けているか認識する事が重要です。
それは、ソーシャルネットワーキングメディアを積極的に利用しているか、全く利用していないかに関わらず、確認しておく(リスニングする)必要があります。
そうでないと、知らない間に今自社の事が噂されているかもしれません。
ソーシャルネットワーキングメディアでの情報を知らないと、大きな痛手を負う事になるかも知れません。